VIXが測っているのは「揺れ幅の予想」
VIX指数は、S&P500のオプション価格から算出される、今後30日間の予想変動率(年率換算)です。オプションは将来の値動きに備える保険のような商品で、その保険料が高くなっている=市場が大きく揺れると見られている、という関係を数値化したものです。
重要なのは、VIXは相場の方向(上がるか下がるか)ではなく、揺れ幅の予想を示すことです。VIXが高い局面は上にも下にも大きく動きやすいと見られている状態であり、「VIX上昇=必ず株安」ではありません。
水準の目安:過去のレンジで見る
VIXの数値は、過去のレンジと照らすと感覚がつかめます。歴史的には、10台前半なら市場が落ち着いている凪の状態、20を超えると警戒感が意識される状態、30を超える場面は相場の急変時に限られてきました。極端な例では、2008年の金融危機や2020年3月のコロナショックで80前後まで急騰しています。
ただしこれはあくまで過去の経験則で、適正水準が決まっているわけではありません。水準そのものより、「短時間で急に切り上がっていないか」という変化の方が、市況確認の手がかりとしては有用です。
なぜ株価急落時に跳ね上がるのか
株価が急落すると、下落に備えるプットオプションの需要が殺到し、オプション価格が跳ね上がります。VIXはオプション価格から計算されるため、結果としてVIXも急騰します。「恐怖指数」の異名は、この急落時に跳ねる性質から来ています。
逆に、相場が平穏な時期にはオプションの保険料は安くなり、VIXはじわじわと低下します。VIXが極端に低い状態が続くと「市場が油断している」と語られることがあるのも、この仕組みの裏返しです。
日経225先物と一緒に見る理由と「日経VI」
日本の個人投資家がVIXを見る主な理由は、夜間の米国発リスクオフをいち早く検知できることです。VIXが急騰している夜は米国株が荒れており、その空気は日経225先物のナイト・セッションにも及びやすいためです。夜の日経先物が急に下げたとき、VIXを見れば「米国発かどうか」の当たりが付きます。
なお、日経平均にも同じ仕組みの指数があり、「日経平均ボラティリティー・インデックス(日経VI)」と呼ばれます。日本株の変動性そのものを見たい場合はこちらが対応する指標です。
表示上の注意
VIXは米国市場の指標であり、算出・配信は米国時間が中心です。日本の日中に見るVIXは前日終値や参考値であることが多く、リアルタイムで動く時間帯は日本の夜間〜早朝です。数値を見るときは、それがいつ時点の値かをあわせて確認してください。
NikkeiRealtimeのリスク指標ページでは、VIX指数をE-mini SOX指数先物、米国金利、商品市況などと同じ画面で確認できます。いずれも市況確認のための参考情報であり、売買判断を目的とするものではありません。
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