為替市場は眠らない:3市場のリレー構造
為替には取引所がなく、世界中の銀行間で取引されるため、平日は24時間ほぼ切れ目なく値が動きます。中心となる市場は時間帯で移り、日本時間の朝〜夕方は東京市場、夕方16時〜17時頃からロンドン市場、21時〜22時頃からニューヨーク市場が主役になります。
株のように「閉まっている時間」がほぼないのがドル円の特徴で、止まるのは週末だけです。土曜朝にニューヨークが閉まってから月曜朝のオセアニア市場再開まで取引がなく、週末に大きなニュースがあると月曜朝に「窓」(前週末との価格差)が開くことがあります。
動きやすい時間帯を知っておく
ドル円には動きやすい時刻がいくつかあります。東京時間では9時55分の「仲値」決めの前後に実需の売買が集中しやすく、ロンドン勢が参加し始める16時〜17時台は流れが変わりやすい時間帯です。そして最も大きく動きやすいのが、米経済指標が発表される日本時間21時30分(冬時間は22時30分)前後です。雇用統計やCPIの数字次第で、ドル円は数十銭から1円以上動くことがあります。
逆に、ニューヨークが閉まった直後の日本時間の早朝は取引参加者が少なく、わずかな注文で値が飛びやすい「薄い時間」です。早朝の急な動きは、この流動性の薄さが増幅している場合があることも頭に入れておくと冷静に見られます。
米金利・米ドル指数とセットで見る
ドル円の背景として最もよく参照されるのが、日米の金利差、とくに米10年債利回りです。米金利が上がるとドルが買われやすいという関係が意識されるため、ドル円と米10年債利回りを並べて見るのが定番の組み合わせです。
もう1つ役立つのが米ドル指数(主要通貨に対するドルの総合力)です。ドル円が上がったとき、米ドル指数も上がっていれば「ドル全体が強い」、米ドル指数が動いていなければ「円側の要因」と切り分けられます。この2つを添えるだけで、ドル円の動きの読み解きは格段に立体的になります。
円安・円高と日本株の関係
円安は輸出企業の円換算利益を押し上げるため日本株に追い風、というのが伝統的な説明で、実際に円安と日経平均の上昇が並走する局面は多く見られます。ただしこの関係は固定ではありません。輸入コストの上昇が意識される「悪い円安」の局面や、金利急変を伴う円安では、株と為替が教科書通りに動かないこともあります。
したがってドル円は「日本株の答え」ではなく「日本株を読むための背景」として使うのが適切です。関係が成り立っているかどうか自体を、そのつど画面で確認する感覚が大切です。
表示を見るときの注意
為替は取引所価格ではなく、配信元(銀行・ブローカー)ごとに提示レートがわずかに異なります。サイトによって小数点以下が少し違うのは正常です。また、リアルタイム表示でも配信元や時間帯によって更新頻度は変わります。
NikkeiRealtimeの為替・金利ページでは、ドル円、米ドル指数、米10年債利回りを同じ画面で確認でき、各行の更新時刻を表示しています。市況確認のための参考情報として、売買判断ではなく状況把握にご利用ください。
リアルタイムページで確認する
ドル円、米ドル指数、米国金利は 為替・金利リアルタイム で確認できます。日経225先物との比較には 日経225先物リアルタイム もご利用ください。